On Kawara:河原 温 Silence 1

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On Kawara—Silence

Guggenheim Museum

February 6–May 3, 2015

 

On Kawara (1932-2014)

先週グッゲンハイム美術館で河原 温さんの展覧会を見てきました。実はこれは二回目です。『グッケンハイムで河原さんの作品がどのように展示されるのか予想できないなあ』と思いながら行った一回目ですが、いきなり直に衝撃をうけてしまい、その後毎日河原さんの作品を考えながら過ごす日々だったので、もう一度行く事にしました。

Date Paintingの手描きで描かれた一日一日と手でタイプされたOne Million Years: Past とOne Million Years: Futureがゆっくりと螺旋を描いて上に向かうスペースと共鳴して、今ここにいるという事と宇宙的な時間とを同時に考えさせられる事が可能になる展覧会でした。実にシンプルな作品が最大限の空間を感じさせてくれるように思いました。

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ロビーでOne Million Yearsの朗読が行われていました。

(螺旋の展示空間では撮影禁止でしたが今回はちょっとだけルール違反。)

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河原さんはこの展覧会の準備中の昨年の六月に亡くなられました。1959年に東京を離れ、Mexico City, Parisに住んだ後1964年からNew Yorkに住みます。河原さんにとって旅する事は大事で、もしアーティストにならなければ旅行代理店を開きたかったと語っていたそうです。また河原さんは若い頃を除いて一切のインタビューも受けず、自分の展覧会のオープニングレセプションにも顔を出した事がないので一般には謎の人です。

この展覧会では1966年1月4日に描かれた最初のDate Paintingと2013年1月12日(この日は2点制作)に描かれた最後の作品も展示されています。Todayと題されたこのシリーズの作品は約3000点に上り130カ所のロケーションで描かれていて、今回はそのうち150点が展示されています。

Todayシリーズはルールとして始めた日の夜中12時までに完成しない場合は廃棄されます。それぞれの日は河原さん自身の作ったタイプフェイスで描かれ、文字はその時いる場所で使われている言語を使い、もしアルファベットが基本に使われない場所にいた場合はEsperantoで描いてあります。バックグラウンドの色は作品ごとに自分で混ぜたもので微妙に違う色です。

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また多くのDate Paintingは作品を入れるための箱にその日の新聞を一緒に入れたものと展示してありました。箱はDate Paintingの数がだんだん増えてきて収納するために考えだされた方法だそうです。この箱は職人的にきちんと作られていてテープの貼り方にさえも決まったルールがあるように見えました。

下の階の螺旋の始まりの展示は1970年1月1日から3月31日の間連続して描かれたEVERYDAY MEDITATIONです。この中には一日に二点制作した日が五日、一日に三点制作した日が一日あります。一見同じように見えても少しづつ違う毎日が手で塗られた几帳面で洗練された文字と数字で記録されています。

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1970年3月16日のNYタイムスのフロントページは大阪の万博の記事です。

またこの展覧ではParis-New York Drawings(1964)からも39点展示されています。ParisとNYを行ったり来たりしている間に描いたいろいろ広い範囲にわたる将来的な作品の構想がドローイングされたものです。河原さんはこのドローイングを制作する前に行ったALTAMIRAの洞窟で見た壁画から大きな影響を受けているそうですー“beyond history” “ beyond language” and “ direct appeal”

 

On Kawara—Silence at the Guggenheim

このビデオの中で Paris-New York Drawings、電報を使った(the I Am Still Alive series);

カレンダー(One Hundred Years and One Million Years)についても説明されています。

 

<その2へ続く>

 

 

 

 

Categories: Gallery and Museum

2 Comments

  • えつます says:

    この展覧会のUPありがとうございます。観に行きたいです。
    日本でこの規模の回顧展はできないでしょう。やはりグッケンハイム。
    私にとっては日本での回顧展はあるのだろうか?というのが今の大きな疑問ですね。

  • atarara says:

    以前にも何回か河原さんの作品を見る機会はあったんですが、
    今まではコンセプトを頭で理解しようとしていただけだと気付きました。
    今回の展覧会ではそれを超えるものが自然発生していて、もろに伝わってきた
    のでは。

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